◆不眠とは
不眠とは、日常的に睡眠が不足している状態をいいます。
環境的要因(暑さや寒さ)・不適当な寝具の使用・睡眠前の興奮性の飲料摂取(カフェイン等)・精神的刺激(ストレス等)・考え事などで、一時的に睡眠が不足する場合は病態とは捉えません。
- 夜通し眠れない
- 寝つきが悪い(入眠困難)
- 途中で目が覚める(中途覚醒)
- 早朝に目が覚めてから再入眠できない(早朝覚醒)
これらの睡眠問題が続くと、倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振などの不調が出現することもあります。
◆不眠の原因
- ストレス(怒りや悩み等)
- 生活リズムの乱れ
- 環境(温度・湿度・光・騒音)
- 過労・心労
- 心配事・考え事
- 驚きや恐怖
- 暴飲暴食
- カフェイン等の刺激物
- 熱病(風邪やインフルエンザ等)
- 薬剤の副作用(降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤など)
◆東洋医学における不眠の分類
- 心陰虚
- 心腎不交
- 心脾両虚
- 胆気虚
- 肝胆鬱熱
- 痰熱擾心
- 心火
- 余熱擾膈
血虚(血の不足)・気虚(気の不足)・陰虚(陰陽では陰の不足)のほか、
臓腑では[肝・心・脾・腎・胆]
邪気では[熱邪・火邪・痰熱邪]
これらが主に不眠の病理に関わってきます。
◆鍼灸治療
気血の不足が原因による睡眠問題であれば気血を補い、不眠を解消します。
邪が心神(精神)を乱している場合は、邪を除いて心神を安定させて不眠を解消します。
不眠が続くと様々な不調が出現するようになります。
不眠が改善せず長期間にわたって続く場合は、早めに治療を行いましょう。