◆糖尿病とは
糖尿病は、インスリンの不足や作用の低下により、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖値の上昇を抑える働きをしています。
血糖値が高いまま長期間放置すると、血管を損傷し、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病合併症)につながります。
特に、血管自体がもろく、毛細血管が集中する網膜、腎臓、手足に現れる「糖尿病網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経障害」は糖尿病の三大合併症といわれ、糖尿病で起こる確率が高い合併症です。
◆糖尿病の種類
糖尿病にはいくつかの種類がありますが、代表的な一般的に知られている糖尿病の特徴を紹介します。
●1型糖尿病
若年者に多い
急激に症状が現れることが多い
やせ型の方が多い
インスリンが膵臓からほとんど出なくなる
治療は、インスリン注射
●2型糖尿病
中高年者に多い
症状が現れないこともあり、気が付かないうちに進行する
肥満の方が多い
生活習慣や遺伝的な影響による、インスリンの不足や作用低下
治療は、食事療法、運動療法、飲み薬、インスリン注射
◆東洋医学における糖尿病
東洋医学では、「消渇」というものが糖尿病に該当します。
●消渇の特徴的な症状
- 口渇(のどの渇き)
- 多飲
- 多尿、頻尿
- 消穀善飢(食べても空腹感がある)
- 消痩(やせる)
●消渇の東洋医学的な原因
①飲食失調
油っこいもの、甘いもの、辛いものなどの摂り過ぎ
暴飲暴食により脾胃に負担をかける
②情緒失調
長期の過度な怒りやストレス
③腎の臓の弱り
腎の弱る原因として、先天的要因、性生活の不節制、過労、慢性疾患による消耗、夜更かしなど
◆消渇の分類
- 肺胃燥熱
- 腸燥津傷
- 肝腎陰虚
- 陰陽両虧
- 脾胃気虚
- 湿熱中阻
消渇は、多尿などによる水分の不足や乾燥、暴飲暴食・ストレスなどで身体が熱に偏ったり、脾胃の消化吸収機能低下により気血が全身に巡らない、先天的な臓腑の弱りなどが原因です。
◆消渇の治療法
- 清熱生津止渇
- 滋陰養液、潤腸通府
- 滋養肝腎、益精補血、潤燥止渇
- 温陽滋陰補腎
- 健脾益気、生津止渇
- 清熱化湿
治療原則として、不足している陰や臓腑を補い、過剰な邪熱を取り除き、人体の陰陽気血を調整します。
糖尿病は症状が出ないまま気付かず、検診などで判明することも多くあります。長期間放置していると様々な症状や合併症が出現しますので、放置せずに早めに治療を開始しましょう。