東洋医学における春の養生法を紹介します。
春の3ヶ月間(立春から立夏まで)は、新しいものが発生する季節であり、万物が生き生きと栄えてくる季節です。
東洋医学のバイブルといわれる『黄帝内経 素問』という中国古代の医学書には、主に東洋医学的な生理、病理、衛生等の基礎医学的な事項を論述された書物ですが、養生法についての記載もあります。
『素問』の四氣調神大論篇には、春の養生法について次のように書かれています。
「春三月.此謂發陳.天地倶生.萬物以榮.夜臥早起.廣歩於庭.被髮緩形.以使志生.生而勿殺.予而勿奪.賞而勿罰.此春氣之應.養生之道也.逆之則傷肝.夏爲寒變.奉長者少.」
「春の三カ月は、、、夜早く就寝して朝早くに起床し、庭に出てゆったりと歩き、髪束を解き、志(目標)をもって行動し、、、」と書かれています。
簡単にまとめると
「春は気温上昇とともに身体も心も活動的になりますが、せっかちに行動したりイライラすると体調が悪くなる。体を緩めるゆったりとした気持ちを保ち、のびのびとやりたいことや楽しいことやり、抑制や制御をしない」と戒めています。

次に具体的な春の養生法について紹介します。
◆春は「肝」の養生をする季節
①運動をする
身体を動かして気血の巡りをよくします。春は肝気が盛んで、のぼせやすく動かないと上下のバランスが悪くなります。散歩や体操を毎日しましょう。
②外に出て日に当たる
春は陽気(肝陽)を養う季節なので積極的に外出しましょう。
③楽しく過ごす
冬は寒冷な気候により鬱な気分だったので春になって抑鬱を避けて快活に楽しく過ごしましょう。
④鶏肉で肝を養う
鶏肉は五行で木に属し、肝を養い消化が良く胃腸にやさしいです。
⑤睡眠を十分にとる
春に寝不足で肝血が不足して肝気が高ぶると、精神面が不安定になります。寝つきが悪くなるのでカフェインは夕方以降控える。
⑥足のマッサージをする
天気が悪いとむくみが出る人は、足先からふとものに向けてゆっくりとマッサージします。
⑦塩分を摂り過ぎない
利水のために、野菜をよく食べて塩分を控える。
⑧入浴で発汗
入浴して発汗すると肝が緩みます。また身体の余分な水分を排出します。
◆春の食養生
①苦みの食べ物
春は菜の花、フキノトウ、タケノコ、タラの芽、わらび、ゼンマイ、こごみなどの苦みで身体のスイッチを入れ、五蔵六腑の働きを活性化させます。
②肝気を盛んにする食べ物
春の低温の内はタケノコ、ニラ、にんにくの芽などで肝気を適度に盛んにする。
③気鬱改善の食べ物
気を巡らせる酸味の強い柑橘類や春菊、ジャスミン茶。
④肝気のバランスをとり、清熱する食べ物
酸味の果物(ハッサク、キウイ、苺)、トマト。
⑤肝血を補う食べ物
ホウレンソウ、レバー、貝類、海藻、肉類。
⑥上実下虚を改善する食べ物
春は上実下虚(気が上に偏る状態)になりやすいので、根菜類(蓮根、ゴボウ、人参など)や山芋(山薬)。
⑦のぼせや気逆を改善
セリ、セロリ、春菊、水菜。
⑧春の胃腸症状によい食べ物
胃腸の弱い人は、馬鈴薯、豆類、生姜、紫蘇や消化の良いものを食べて胃腸の働きを調えます。
春は肝の陰陽平衡を調える為に、肝を養い、調えることが大事です。
春の養生法はいくつもありますので、無理なく続けられることを生活の中に取り入れてみましょう。
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