
◆花粉症とは
花粉が飛ぶ季節にスギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じる「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」などのアレルギー症状を「花粉症」と呼びます。
風邪と間違われやすいですが、花粉症は花粉が飛んでいる期間は症状が続くという特徴があります。
鼻と目は、花粉症の症状が現れやすい部位です。
「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」は、鼻の三大症状
「目の痒み、目の充血、流涙」は、目の三大症状
その他、体の怠さ、熱っぽい、イライラ、喉や顔・首など体の痒み、集中力の低下といった全身症状を伴う場合もあります。
花粉症の主な原因植物として、スギ、ヒノキ、イネ科、キク科(ブタクサ属・ヨモギ属)、クワ科(カナムグラ)、カバノキ科(ハンノキ属・シラカンバ)などがあります。
植物によっては、ほぼ1年を通して花粉が飛散するものもあります。
そのため、ほぼ一年中、花粉症の症状に悩まされる方もいます。
◆花粉症の東洋医学の考え方
花粉が飛散していても花粉症にならない人もいます。東洋医学では、花粉そのものでななく身体の気の偏りや邪気の存在が花粉症を発症させる要因になると考えます。
花粉症には春型・秋型・春秋型があります。
春に花粉症の症状が出るタイプは、肝気の過剰亢進が主な病理です。
肝の経絡の気が上方向へ異常に突き上げることで、肝気とともに水邪が持ち上げられることで発症します。
秋に花粉症の症状が出るタイプは、脾胃の弱りが主な病理です。
夏の暑さで汗をかきすぎて気を損傷したり、生物や冷飲食の摂り過ぎで脾胃を弱らせて、肝気が高ぶることで発症します。
春も秋も花粉症の症状が出るタイプは、このどちらの病理も存在します。
◆東洋医学における花粉症の分類
- 肝鬱気滞
- 肝鬱化火
- 肝気上逆
- 脾虚
- 湿淡・水邪停滞
- 腎陰虚
肝気の異常が病理の中心であれば、肝気を抑えます。
脾胃の弱りが病理の中心であれば、脾胃を補います。
その他の臓腑が花粉症の病理に関わることもあるため、全体のバランスを見て治療を行う必要があります。
例えば、腎には肝気の暴発を抑える役目もあります。腎陰が不足すると肝気が暴発しやすくなり、花粉症を発症しやすい状態になります。
◆養生法
春は自然界の影響で肝気が盛んになりやすい時期なので、肝気を高ぶらせるコーヒー・緑茶・紅茶を控える。
心・胃に熱を籠らせないために、油っこいもの・甘いもの・肉食・香辛料などの摂り過ぎに気を付けましょう。
夏~秋にかけての養生は、睡眠をしっかりとる。
また、脾胃を弱らせないために冷飲食の摂り過ぎに注意が必要です。
スイカや胡瓜などの夏野菜を食事に取り入れて身体が熱に偏り過ぎないようにしましょう。