梅雨時期の東洋医学的な養生法について紹介します。
今週から関東地方も梅雨入りしました。梅雨時期になると浮腫み、頭痛、関節痛、体の怠さなどの症状に悩まされる方もいます。
東洋医学では、梅雨の時期に体調を崩しやすい原因を「湿邪」によるものと捉えます。湿邪は、体内の水分代謝を滞らせ、様々な不調を引き起こすと考えられています。特に、胃腸(東洋医学では「脾」)は湿邪の影響を受けやすく、脾の働きが低下すると、食欲不振、下痢、消化不良などの症状が現れやすくなります。
◆湿邪の性質
- 湿邪は重濁・粘膩の性質を持ち、経絡の流れを滞らせると頭重感、四肢の痛みや痺れなどの症状を起こします。
- 湿邪が関節に停滞すると、痛みや動かしにくさ、腫脹を起こします。
- 臓腑に影響すると、全身の重怠さ、倦怠感、食欲不振、軟便、下痢、尿や便がすっきり出ない、悪心などを起こします。
脾には「喜燥悪湿」という特徴があります。
「脾は燥を喜(この)み湿を悪(にく)む」といい、体内にある余分な水分や飲食物に含まれる過剰な水分(内湿)、雨天時や梅雨時期に外気中に多くなる湿気(外湿)の影響により脾の機能に不調を起こしやすくなります。
◆梅雨時期の養生法
①高湿度
通気性のよい服装を心掛けて、除湿器などで湿度を調整する。
②食事
暴飲暴食を控え、冷飲食、消化の悪いもの、甘いものの摂り過ぎに気を付ける。
③運動
適度な運動で汗をかき、気と水分の巡りを良くする。

体内に余分な水分(内湿)を溜め込んだまま夏の厳しい暑さ(暑邪)の影響を受けると、夏バテやその他の症状を引き起こす原因になります。
特に梅雨時期や雨天による影響で体調を崩しやすい方は、先ほどの養生法と鍼灸を併用して効果的に湿邪対策を行うことをお勧めします。
コメント